ストレスと睡眠・テストステロンの意外な関係
人間の体内で生成・分泌される男性ホルモンのテストステロン。
実は、睡眠の質やストレスがテストステロンの分泌量と密接に関係していることをご存じでしょうか?
今回は、テストステロンと睡眠・ストレスの関係やストレスとの上手な付き合い方についてご紹介します。
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睡眠の質が良い≒テストステロンが十分に分泌されている!
筋肉を発達させ、たくましい肉体を作り上げるために大切なテストステロン。
多くのトレーニング系サプリメントにも配合されており、体内のテストステロン量を増やすために服用しているトレーニーの方も多いのでは?
また、体内のテストステロン量には、睡眠の質も大きく関係してきます。
毎日人間の体内で生成・分泌されているテストステロンですが、最も多く分泌されるのは睡眠のタイミング。
サプリメントを摂取するだけではなく、睡眠の質にもこだわることで、体内のテストステロン量をパワーアップさせましょう!
過剰なストレスは睡眠・テストステロン共に悪影響
密接に関係しているテストステロンと睡眠ですが、いずれもストレスの影響を受けます。
そもそも人間は、ストレスを感じるとコルチゾールというストレスホルモンが副腎と呼ばれる臓器から分泌されます。
コルチゾール自体は人間にとって重要なホルモンで、血圧を上げたり炎症を抑えるといった働きを持っています。
しかし、ストレスによって分泌量が増えてしまうことで、人体に様々な悪影響を及ぼすのです。
ストレスで睡眠の質は下がる
睡眠には、自律神経の働きが大きく関係しています。
自律神経には、心身がリラックスした状態になり、眠りやすくさせる神経の副交感神経と、心身を覚醒させて、眠りにくい状態にさせる神経の交感神経の2種類があります。
しかしストレスを感じてコルチゾールが常に分泌されてしまうと、自律神経はバランスを崩し、睡眠中でも交感神経が優位な状態に。
結果として、しっかりと脳や体を休めることができず、睡眠の質が下がったり睡眠不足に陥ってしまうのです。
実はテストステロンも…
ストレスは、テストステロンにも大きく影響します。
ストレスを感じる生活が続くと、コルチゾールが常に分泌されることで副腎の働きが低下。
副腎からはテストステロンの原料となるホルモンも分泌されるため、副腎の疲弊はテストステロンの分泌量の減少に繋がってしまいます。
実際、体内のコルチゾール量が増えることでテストステロン量の減少に影響することを報告した研究結果も。
テストステロンとコルチゾールには反比例のような関係性があるのです。
最悪の場合、ストレスを受ける→睡眠の質が下がる→テストステロンが下がる、といった悪循環が引き起る可能性もあるため、最近ストレスの多い生活を送っている方は要注意ですよ。
参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3880087/
ストレスとうまく付き合おう
体内のテストステロン量を減らさないためには、ストレスを減らしてコルチゾールの分泌量を減らす必要があります。
しかしストレス社会の現代では、完全にストレスフリーな生活を送ることは難しいですよね。
大切なのは、適度にストレスを発散させながらうまく付き合っていくこと!
ストレス発散に効果的な4つの方法をご紹介します。
定期的な運動を行う
運動を行うと、数時間でコルチゾールの値が下がることが分かっています。
また適切な運動は、寝つきを良くして深い眠りを促すため、睡眠の質向上にも効果的です。
ただし、運動した直後はコルチゾール値が上昇するため、寝る前の運動は控えましょう。
また、激しい運動もコルチゾール値を急激に上昇させるため、自分の無理のない範囲で運動を行うことが大切です。
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27956050/
参考:快眠と生活習慣 | e-ヘルスネット(厚生労働省) (mhlw.go.jp)
無理やりでも笑ってみる
実は、笑うだけでもコルチゾールの値が下がることが分かっています。
笑うことで気分の落ち込みも軽減しますから、ストレスの解消に効果的な方法です。
注目すべきは、自然にこみあげる笑いだけでなく、無理やり笑った場合でもコルチゾール値が下がるということ。
最近楽しいことが無くてつまらない… そう思っている方は、無理やりにでも笑ってみれば少し気が晴れるかもしれません。
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27439375/
参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6125057/
趣味に集中する
自分が集中して没頭できる趣味を見つけることも大切です。
薬物治療中の退役軍人を対象とした研究では、趣味にガーデニングを取り入れた方が、趣味のない日常生活よりもコルチゾール値が低下したことが分かっています。
例えば筋トレを趣味にすると、理想の肉体を手に入れる→ストレスが下がる→テストステロン値もアップする、といった良い流れが生まれることも期待できますよ。
参考: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26030115/
深呼吸する
一番手軽なストレス発散方法として、深呼吸が挙げられます。
日々の生活に深呼吸を取り入れることで、コルチゾール値を簡単に下げることができますよ。
忙しい生活を送っていても、休憩のタイミングなどふとした時に深呼吸をすることを心がけてみましょう。
参考:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27995346/
ストレスとうまく向き合って毎日を元気に過ごそう!
今回は、ストレスと睡眠・テストステロンとの関係性についてご紹介しました。
ストレスを感じる生活が続いていると、トレーニングの効果が出ないどころか、睡眠不足になり健康を害する恐れもあります。
ストレスとうまく付き合うことは、健康的な生活を送るためには必要不可欠です。
ストレスの影響を最小限に抑えながら、毎日を元気に過ごしていきましょう!